省エネ住宅+パッシブデザイン(PASSIVE DESIGN)で知っておくこと

パッシブデザインを簡素に説明すれば、以下のようになります。

建物のあり方に工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽・風・地熱)を最大限に活用・調節できるようにし、高い室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする、建築設計の考え方とその実際的手法。

 

いま、このパッシブデザインに高い関心が集まっているわけですが―。

ここでは、これだけ知っておいてー、簡単簡素にお話しします。

パッシブデザインは大きく2つの流れが存在します。

①超高断熱(省エネ建築診断士)

(ドイツ系パッシブハウスデザイン)

②断熱・日射取得・日射遮蔽バランス

(自立循環型パッシブデザイン)

 

これだけは、知っておくキーワード4つ

1.省エネ地域区分・何地域?

「最低限実現したい断熱性能」として提案したいのは「HEAT20のG1レベル」です(HEAT20について詳しくは http://www.heat20.jp/heat20towa.html)。

これを建物全体の断熱性能の指標として使われているUA値で示したのが下図です。

img03

茨城県の省エネ地域区分は、4地域5地域6地域に分かれます。

数字が大きくなるほど暖かい地域となります。

 

  • 4地域:城里町(旧七会村に限る。)、大子町
  • 5地域:水戸市、土浦市(旧新治村に限る。)、石岡市、結城市、下妻市、常総市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、笠間市、取手市、牛久市、つくば市、ひたちなか市、常陸大宮市、那珂市、筑西
    市、坂東市、稲敷市、かすみがうら市、桜川市、行方市、鉾田市、つくばみらい市、小美玉市、茨城町、大洗町
    、城里町(旧常北町、旧桂村に限る。)、東海村、美浦村、阿見町、河内町、八千代町、五霞町、境町、利根
  • 6地域:日立市、土浦市(旧新治村に限る。)、古河市、龍ケ崎市、鹿嶋市、潮来市、守谷市、神栖市

2UA値(ユーエーチ)W/(㎡k

冬にこの家からどれだけ熱が逃げていくのか―。

それが分かるのがUA値です。

断熱性能を評価するUA値は住んでいる地域によって基準が決められています。

UA

3C値(シーチ)c㎡/

この家はどれだけ隙間が空いているのかー。

それが分かるのがC値です。隙間風が入るのが寒いように、せっかく断熱材を入れても、隙間から暖かい空気が逃げてしまっては意味がないのです。

C

4.ηA値(イーターエーチ)

この家にどれくらい日射が入ってくるのか―。

それが分かるのがηA値です。

夏の数値はηAC値、冬はηAH値といいます。

夏のηAC値は低い方(日射が入らない)が、室内温度が上がりにくく、冷房効率もアップします。逆に、冬のηAHは高い方(日射が入る法)が、室内温度がよくなります。

ηAC値

日差しを遮り、夏を涼しく

あ

参考:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター
「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より

ηAH

冬場、窓からたくさんの熱が出ていくように、夏場、室内に入ってくる熱も7割は窓からのことを知っておいてください。

窓から入る熱と日差しを最小限にできれば、エアコンの効率も上がり、冷房費の節約にもつながります。

高断熱・高気密で、冬の太陽を生かす

2

参考:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター
「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より

冬の暖房時に家から逃げる熱のうち、窓やドアの 開口部を通るものは約半分。

暖房の熱を逃がさず、少ないエネルギーで効率よく部屋全体を暖めるためには、開口部の断熱性を高めることが重要です。

冬は部屋の奥まで太陽の光を取り込むことで、部屋は自然と暖まります。

この家を建てるとき、第一に考えたいのが「断熱」です。

熱の出入りが最も多いのは、夏も冬も 屋根・外壁よりも、窓やドアなどの開口部です。

passive_05

空気の特性を生かして風を通す

空気は温められると膨らみ、密度が小さくなって軽くなるため、熱気が上部にたまります。

この特性を生かした窓の配置設計することで、自然と空気に流れができ、風を通すことができます。

まとめ

自然を理解し、その特性をうまく生かすことがパッシブデザインのキホン。

太陽の熱や光、風など自然のエネルギーを生かした、健康な暮らしを実現できます。

 

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建築家・家相家のいる建築設計事務所より

記:建築家と家相家のいる生空感建築研究所 マツダユウコウ

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