ビー玉を転がさないで!?

家は水平面と垂直面の組み合わせを基本につくっています(私の家は一部壁が斜めになっていますが―)。

基礎屋さん大工さん等が手作業で建物をつくるため、施工誤差というものが存在します。

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こでは、床・壁の傾きの許容範囲について理解していただきます。

なぜなら家の傾きが健康に与える影響も見逃すことができないからです。

・最初に!結論からいいます。

「0度の水平」や「90度垂直」は無理だということになります。

では!

この範囲の施工誤差まで許容できるのでしょうか?

また、よく耳にするビー玉によるチェックをすればいいのでしょうか?

住宅品確法(の「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」(平成12年建設省告示第1653号)では、この範囲の傾きであれば瑕疵が存在する可能性が低いと定めてます。

”3/1,000未満”の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」とし、3/1000以上6/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する」、6/1000以上の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」としています。

下の表からわかるように、”3/1,000未満”が目安と考えられます。

”3/1,000”を超えたからといって”瑕疵”であると断定するものではありません!

 傾き x/1,000mm 角度 瑕疵の存在の可能性(品確法) 健康障害等
3/1,000未満 1/1,000 0.06 低い 自覚症状なし   
2/1,000 0.11
3/1,000 0.17
3/1,000~6/1,000未満 4/1,000 0.23 一定程度存在する
5/1,000 0.29  傾斜を感じる
6/1,000 0.34
6/1,000以上 7/1,000 0.40 高い   傾斜に対して苦情が出る
8/1,000 0.46
9/1,000 0.52
10/1,000 0.57  目眩や頭痛が生じる
 17/1,000  1
23/1,000 1.3 牽引感、ふらふら感がある
30/1,000 1.7
35/1,000 2 目眩、頭痛、吐き気、食欲不振
52/1,000 3
67/1,000 4 物が傾いて見える
87/1,000 5
105/1,000 6
123/1,000 7 睡眠障害
141/1,000 8
158/1,000 9

調べ方でここが重要です

床の水平面については、「長さが3m程度以上の2点間」、壁や柱の垂直面については、「長さが2m程度以上の2点間」における測定が目安です。

特に床についての3m未満の2点間については必ずしもこの基準に当てはまるわけではないことに注意しなければなりません。

部屋内でミリ単位の不陸が存在するからです。

この傾斜の定義は床の場合は3m程度、壁の場合は2m程度以上離れている二点間でのものとされているので、狭い区間で傾きがあったとしてもそれは瑕疵であると断定しないことが基本です。

これだけは知っておこう!

「6/1000」と「3/1000」

6/1000というのは1mにつき6mmの傾斜になります。

3/1000というのは1mにつき3mmの傾斜になります。

6/1,000とは、1,000mm(1m)あたり6mm、(2m)あたり12mmの傾斜ことをいいます。

角度に換算すると0.34度です。

3/1,000とは、1,000mm(1m)あたり3mm、(2m)6mmあたりの傾斜ことをいいます

角度に換算すると0.17度です。

iphoneなどのアプリで水平器として使用している話もよく聞きます。

角度測定がでるものであれば、「0.17度」「0.34度」を知っておけばよいでしょう。

例として、床のある地点を基準としてそこから1m進んだ場所が基準地に対して3mm高い、もしくは低い状態であれば3/1,000となります。

まとめ

ビー玉は3/1000未満であっても転がらないとは言えないので、ビー玉が転がった場合に必ずしも許容範囲を超えているとは断定できません。

ビー玉を転がすと床に傷がつくことになるので、転がす調査はやめましょう。

特に、“新築物件で傾斜が「3/1,000」を超えている”このような状況場合には、販売会社にその旨を申し出る、または、専門家によるインスペクター調査依頼するなど、具体的な対応を取ることが望ましいでしょう。

最後にー

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欠陥住宅のニュースでよく「ビー玉が転がる・・・」家が取り上げられますが、ビー玉が転がるだけでは、欠陥住宅というわけではありません。

 

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建築家・家相家のいる建築設計事務所より

記:建築家と家相家のいる生空感建築研究所 マツダユウコウ

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